突然の引退

 エアリアルがいい成績を残したのと入れ替わるように、さつきの引退が決まった。理由は、

 「気管虚脱」

 兆候は、一ヶ月くらい前からあった。リードをぐいぐい引っ張ってゲホゲホいうのは日常茶飯事だったが、その咳が長引くようになっていたり、たまに「ケンネルコフ?」とドキッとするような咳をしてみたり、気にはなっていたのだ。
 原鶴の競技会当日、急激に悪化した。
 その日の朝は、九州でも冷え込んだ。車のハッチを開けたとたん、冷たい空気が刺激になったのか、激しく咳き込んだ。ずいぶん長く感じたが、数十秒くらいだったろうか。その日は、一日中、ちょっとした刺激で激しい咳を何度も繰り返した。一緒に行った仲間も驚くくらいにひどかった。咳が起床直後とリードを引っ張った時に限られることと、軽い咳も勘定すると一ヶ月以上続いていることから、ケンネルコフというより気管虚脱ではないかと思い、競技会の翌日、早速動物病院を受診した。

 レントゲンの結果、やはり、気管虚脱の診断。写真を見せてもらったら、頚の部分の気管が明らかに狭くなっていた。生まれつき素因があるところに、無理な力が加わると起こるそうだ。長期間続くと、心臓に負担がかかって突然死の可能性もあるという。以来、朝一番に「生きてるかな?」とさつきのハウスを確認するのが日課になった。
 激しい運動は禁止。競技はやめた方がいいと言われた。元々、来年3月の山口を最後に競技を引退させるつもりでいたが、こんな終わり方を迎えようとは。暑い季節ならともかく涼しくなってからでも、近所の散歩ですぐにハァハァいうのも、練習ですぐ疲れるようになった気がするのも、歳のせいと思っていた。けど、本当にしんどかったのか。

 病院では冷静なつもりだったが、帰り道、通い慣れた道を間違えて遠回りしてしまった。実は、よほど動揺していたらしい。
 思えば、幼少期のストロバイト結石に始まり、次から次へとよく病気をする子だ。スキッパーキーは「丈夫で長生き」が取り柄のはずなのに、さつきは20年も生きられそうにない。これからは、家庭犬として、好きなことだけをして楽しく余生を送りなさい。

 本人は、いたって元気なつもりです。薬のお陰で楽になったのか、昔に戻ったようだ。それとも、単に薬の副作用でハイになっているだけなのか。あるいは、もうアジをやらなくてよいという飼い主の考えを読んで、好き勝手にしていいと勘違いしているのか? 気管虚脱の咳は、「ガチョウの鳴き声」に例えられるのだが、がーーがーー言いながらも、エアリアルとのバトルを止めません。これからは、2頭をハウスから出すタイミングも考えないといけない。

 あ、「好きなことをする」というのは、「破壊の限りを尽くしてもよい」という意味ではありませんから、そこんとこ、ヨロシク。

by sawa4482 | 2009-10-17 11:06 | スキッパーキー