3週間

 昨夜は、落ち着きなく何度も時計を見てしまった。

 今朝は、4時半に目が覚めた。エアちゃんが旅立った時刻。

 まだたった3週間。嘘みたい。もっとずっとずっと長かったような気がする。エアちゃんがいたのが、ずいぶん前のことだったような気がする。特に、ミルトスセミナーから帰ってから徳島に行くまでの1週間は、どうやって過ごしたのか、ほとんど記憶がない。時間の流れが違う別の世界に行っていたような感じだ。

 車に乗ると、まだエアリアルが助手席にいるような気がする。最後に病院から帰るとき、じっと私を見ていた姿が浮かぶ。あの時、エアリアルはさようならを言っていたんだね。日が経つにつれて、ますますその思いが強くなっていく。

 昨日、アルファのフィラリアとノミダニ予防の薬をもらいに、病院に行った。毎日のように通った病院。夜、エアリアルが点滴を終えるのを迎えに行った病院。待合室に座っていると、扉を開けたら以前のようにエアちゃんが診察台の上で待っているような気がして、涙をこらえるのに苦労した。

 エアちゃんが元気だった姿は、写真に残った静止画でしか思い出せない。記憶の中のエアちゃんは、朝起きて夢を思い出すように、思い出そうとすると頼りなく消えて、つかもうとする手からするりと抜けてしまう幻のようだ。
 むしろ、聴覚や触覚に残っている。
 エアちゃんがソファに上がるドタドタいう足音。夜、ベッドに上がって来て私の横で2回クルクル回ってからどさっと横たわる音、私の背中に押し付けられたエアちゃんの背中の感覚。

 最近、平常心で普通に生活している自分がいる。アルファに夢中になったり、バラエティ番組を見て笑っている自分がいる。もう立ち直ったのか。私って、愛情の薄い人間だったのね。
 と思っていたら、わずかなきっかけで涙があふれて止まらなくなる。エアちゃんの名前を呼びながら、号泣することがある。

 夜、ご飯も食べず、風呂にも入らず、エアちゃんと過ごしたソファに座ってぼーっとDVDを見ていると、本物の鬱病じゃないか、薬を飲んだ方がいいかも、と我ながら心配になることがある。アルファがいなかったら、間違いなく本物の鬱病になっていただろう。アルファの貴重な成長期を大切にしなければという気持ちで、どうにか動いている。
 アルファは、楽しい子だ。いつもしっぽが左右に揺れて、何を見ても楽しくて仕方ないと言っているような子だ。アルファを見ていると、いつの間にか笑顔になる。その間だけは、エアリアルのことを忘れている。
 
 しかし、次の瞬間、我に返る。

 まだ3週間しか経っていないのに、エアリアルのことを忘れて笑っていていいの?
 エアちゃんの苦しみを思うと、私が笑うことは、一生許されないのでは?

 とさえ、思えてくる。それが間違った考え方とわかっていても。

 一人でぼーっとする時間を作りたくなくて、仕事のない日は、できるだけ予定を入れるようにしている。夜あまり眠れないのに身体を酷使して、そのうちポッキリ折れるんじゃないか?

 

 

by sawa4482 | 2012-11-21 19:58 |