イアン・ダンバー博士のセミナーに行ってきた。

 陽性強化でしつけをしている人の間では知らない人のいないイアン・ダンバー博士が、畏れ多くも岡山にお運びくださるとの情報をキャッチしたのは、2ヶ月ほど前のこと。ダンバー博士も、御年70を越え、再びやってくる機会があるかどうか保証の限りではない。

 というわけで、行ってきました、セミナー。でも、受講料の¥10000、プロの講習会ならともかく、ちと高くないか? 一人¥10000×定員280名ー(会場代+通訳始めスタッフの日当+諸経費)=how much?
 庶民は、つい、そんな計算をしてしまうのよね〜。
 と、しつけ教室でぼやいていたら、お友達の一人が、「そりゃ、教祖様へのお布施だもの。」と宣った。
 言われてみれば、陽性強化の現状は、イアン・ダンバー教、テリー・ライアン教。なるほど、お布施とはうまいこと言うな〜。

 実際に会場に着いてみると、来ているのはほとんどトレーニングのプロかその予備軍のようだった。もしかして、ただの犬飼いは、わたしだけ?

 それどころか! 予想を上回るものを目にしてしまった。最前列に陣取る一団は、ダンバー博士の追っかけ。話しかけてもらうくらい顔見知りになっている。岡山の前に福岡でセミナーがあったのだが、それにも行ったらしい。トイレで、「一回しか来られない人はかわいそうよね〜。一回聞いただけじゃ、わかんないよね。」などと、大声で話していた。受講料に交通費、費やす時間だって。熱心な信者がいるものだ。もちろん、ロビーでビデオや本を購入して、さらなるお布施を。
 「言われた通りに一生懸命やっているんですけど、しつけがうまくいかないんです」→「ビデオと本を買って、もっと勉強してください」
 「言われた通りに一生懸命お祈りしているのですが、少しも御利益がありません」→「この壺を買って、さらに祈るのじゃ」
 なんか、似てない?

 と、いやみたらしく書いているが、実際のセミナーは、とても有益だった。今日のテーマは、「成犬の問題行動とその解決」。咬み犬とけんか犬の対処法だった。まるで、さつきのためにあるようなものじゃありませんか。
 ダンバー博士は、話がうまく(商売もうまいという人もいる)、すぐに引き込まれてしまい、いつの間にか一万円を忘れていた。

 個々の方法をいちいち紹介していたら長くなるので、さわりだけ。

 咬む・けんかするといった問題を持った犬に遭遇したら、一番大切なのは、その犬がどの程度危険かを客観的に評価すること。
レベル1:空咬みするが、歯は皮膚に当たっていない。
レベル2:歯が皮膚に当たったが、皮膚に穴はあいていない。
レベル3:皮膚に、犬歯の2分の1以下の深さの穴がいくつか開く。
レベル4:皮膚に、犬歯の2分の1以上の深さの穴がいくつか開く。
レベル5:レベル4相当の傷が複数できる。
レベル6:被害者が死亡する。
 ほとんどの犬はレベル1か2で、このレベルなら容易に解決できる。

 全てのトレーニングに共通すること。
1)たくさん褒めて、たまに罰を与えると効果的。ほとんどの飼い主は、悪いことをすると叱るのに、よいことをしている時(静かにフセをしているとか)を見過ごしてしまう。望ましい行動をしている時は、すかさず褒めてあげよう。
2)「罰」というと、痛いこと、怖いことを連想するが、行動学的に言うと「罰」とは、「望ましくない行動の頻度を減らすこと」。一例として、"jolly routine"というのを紹介した。これは、犬の注意が飼い主からそれてしまった時、飼い主は大きな声で手を叩きながら笑う。すると、犬は、「何事?」と飼い主を振り返る。これも、望ましくない行動をやめさせたという意味で、「罰」になる。

 1)は、日頃のしつけを通してわかっているつもりだが、2)は、目から鱗だった。

 たまに外の話を聞くと、普段とは違った角度から自分の問題点が見られて、突破口が開けることもある。

 今日は画像がないので、さつきのキラリン光線をお楽しみください(笑)。
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by sawa4482 | 2005-06-12 20:33 | スキッパーキー