鬼澤先生のアジリティセミナー

 何をするのか、何人参加するのかも知らないまま、ドキドキしながら会場入り。うちのお師匠様から鬼澤先生に、「こんな犬が行くから」とあらかじめ連絡していただいていたので、まずは先生にご挨拶。意外に若い。というか、最近知り合ったインストラクターがみんな若く見えるのがショック。

 セミナーは、簡単なオビから始まった。ポジションチェンジ、付いて歩く、マテ、コイ、など、基本的な物を一時間ばかり続けた。まず、こうやって飼い主の方に犬の意識を集中させるのだそうだ。なるほど。

 続いて、アジに入る。タッチ障害を経験したこともない初心者も何人かいて、本当に基礎的な練習から始まった。初っ端に、先生から一言。
「『ハンドリング』と『犬をコントロールすること』とは違う。『ハンドリング』は人の練習、『犬をコントロールする』のは犬の練習。今日は、『犬のコントロール』を学びます。」
 最初は、二本のバーを平行に置いて、一本跳んだらご褒美。それができたら、二本続けて跳べたらご褒美。3年前に返ったようだ。
 次は、4本のバーを十文字に置いて、円を描くように跳ばせる。普段だったら、ハンドラーは十字の中央にたってできるだけ場所を移動しないで指示だけで跳ばせる練習をするのだが、このセミナーでは、みんなと同じように、犬と併走する。コツは、人がバーからバーへ斜めに移動するのではなく、バーに対して直角に跳ぶ犬と併走するように走り、バーのウィングに接する辺で正方形を描くように走ること(わかりにくいですね(^_^;)。こうすると、犬が自分の後ろについてきてバーを迂回してしまうのを避けることができる。
 早速、「手の位置が高い、それでは『遠くに行きなさい』の指示になって、犬が離れていってしまう」と注意を受けた。最近、飼い主が楽をしようと、できるだけ遠隔で指示していたからなぁ、つい・・・
 4頭一組での練習のため、毎回他の犬の方に行ってしまうんじゃないかと冷や冷やしたが、一度も脱走せず。さつきにしては驚異的なことだ。そこへ、鬼澤先生が近づいてきて、
「どう?こうすると逃げないでしょ。」
「そうですね、たまにはこういう基礎練もしないといけませんね。」と私。
「『たまに』じゃなくて、こういう練習が60%なんです。」
がが〜〜ん、そうだったのかっ

 続いて、バーの数を3本、2本と減らして、同様の要領でバーを連続して跳ばせる。何本も続けて跳ばしていたら、「やりすぎ!途中でご褒美をあげて」と、また注意されてしまった。できるからと、続けざまにやらせるのはよくないらしい。何度も(しかもランダムに)ご褒美をあげて、常にやる気を保たなければいけない。

 その後は、タッチ障害、スラローム、タイヤを、別々に一つずつ練習。一度も放浪しないまま、午前の部終了。

 午後は、異なる障害をいくつか並べて連続して通過させる練習から始まった。一直線に並んでいるから、さつきにとっては楽勝さ。が、ここに落とし穴が。単調なことを繰り返させると、すぐに飽きてしまうのだ。ハードルとトンネルの組み合わせを何度か飛ばせていたら、
デターーーーーッ!
 他の犬に向かって一直線にすっ飛んでいってしまった。やっと捕獲して、ハウスの中で5分間反省タイム。
「 放浪またはしつこい匂い嗅ぎ=ハウスに5分間隔離。
 コースアウトしたけど呼べば戻ってきた=戻ってきたら一旦捕獲して褒める。コースアウトした地点の前からやり直して、コースアウトした地点を無事に通過したら一旦褒めてご褒美。」
 これが、ここのルールなのです。
 5分経ったのでハウスから出したところ、リードを付けるのに手間取った隙に再び逃げられた。今度は、何を思ったか物置に入って自ら退路を断ったので、簡単に捕獲→再びクレートへ。やっと本性を現したか。

 この頃になると、あまり若くない参加者が多かったためか、勝手に休憩する人の姿が目立ち始めた。すると、
「まだ休む時間じゃありませんよっ!」
と、鬼澤先生の檄が飛ぶ。き、キビシイ。しばらくしてから全員にシュークリームが配られ、気を取り直して最後の練習へ。
 
最後は、ハードルとトンネルを組み合わせたコースと、ハードルとタッチ障害を組み合わせたコース、それぞれ短いコースを走らせた。この時、朝から続けざまにご褒美をもらい続けたさつきのお腹は、朝ご飯抜きにもかかわらずパンパン。それなのに、まだ、手に持ったフードをよこせと前足で催促するさつき。鼻先におやつがぶら下がっていれば、いくらでも走っちゃいます。さすがは、食欲魔犬。フードをご褒美に使う欠点は、お腹が一杯になったら指示を聞かなくなることだと思っていたのだが、ことさつきに関しては、そういう心配は無用だったわ。コースアウトすることもなく、何度も完走しました。

 朝9時半から夕方5時まで、二度の休憩を挟んでみっちりアジ練だった。丸一日練習を続けたら、人が疲れる前に犬が飽きるんじゃないかと不安だったけど、予想外に集中が続いた。初めての場所で十数頭の知らない犬に囲まれたのに2回しか逃げなかったのは、さつきにしては本当によくやってくれた。鬼澤先生の講評は、
「さつきは、遠隔操作が嫌なんじゃないかな。『脱走?そういえば、そういうこともあったかな。』と忘れるくらいになってから、次の段階に進んだ方がいい。」
というものでした。なので、しばらくハンドリングは封印して、併走に努めます。

 数々のアドバイスを頂いたが、最後に名言を一つ。

「完走は飼い主の目的であって、犬の目的ではない」

 仰せの通りにございます。

by sawa4482 | 2007-03-10 20:55 | スキッパーキー