さつきタンの受難

 いつから始まっていたのか正確にはわからないが、いつの頃からか、さつきの左目だけ目頭に涙の跡が付くようになった。それが乾いて、塩の粉が吹いていることも。時には、瞬きした拍子に涙のしずくが飛び散ることさえあった。
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 去年誕生日の写真を撮ってもらった時点では、こんなことはなかった。最近では、他人からも指摘されるようになった。何ヶ月も気にはなっていたのだが、競技シーズンも終わったことだし、ようやく先延ばしにしていた診察を受けに行った。かかりつけの獣医ではなく、他県にある「眼科(だけ)は当てになる」と評判の病院だ。
 
 実は、犬の眼科検査って、どうやるのか興味津々だった。自分が眼科を受診したことがある方はご存じだろうが、ヒトの場合、目の前に凸レンズをかざして眼底を見たり(倒像鏡)、頭を固定して角膜の表面を見たり(細隙灯)する。が、犬に同じことはできまい。顎を台に乗せたままじっとできる犬がいたら、お目に掛かりたいくらいだ。第一、頭の大きさだって、犬種によって数十倍の違いがある。

 診察室に入って、まず先生が取り出したのが、片手に持てる小さなハンディ細隙灯。知らない人に頭を持たれた上に、強烈な光で目を照らされて、さつきさん、当然嫌がる。が、そこは、さすが動物看護士、さほど力を入れているように見えないのに、さつきの頭は全然動きません。眼底も、ヒトと同じ要領で、倒像鏡で見る。散瞳もしていないのに、非協力的な犬の眼底がよくも見えるもんだ。
「黒い犬は、よくわからんなぁ。」
と言って、涙の流れがよく見えるように、ヒトと同じ蛍光色素で涙を染めた。すると、どうでしょう。青い光に照らされると、わずかな水の筋にしか見えなかった涙の後が、目頭からあふれて目尻に向かう三日月状の黄色い線となって、くっきり浮かび上がるではありませんか。意外に量が多い。
 数分後には、それが鼻の中に流れてきて、鼻の穴に黄色いしずくが溜まっているのが見えた。ただし、だけ。ということは、左の鼻涙管が詰まっているということなんですね。
 視力に関係する病気でなくて、ひとまず安心した。けど、鼻涙管洗浄は、一応した方がいいらしい。30分間も頭をこねくり回された上に、散々まぶしい思いをしたのに、さつきの受難はこれで終わらなかった。ようやく帰れると喜んだのもつかの間、術前検査の採血をするため、再び診察室に呼ばれた。今度こそ、さつきの奴、本気で逃げ帰ろうとした(笑)。が、当然容赦されるわけもなく、前脚にぶっすり針を立てられたのでした。
 採血が終わったら、さつきさん、「早く帰ろうよー」という態度がありあり。やっと会計が終了して「帰るよ」と声を掛けたら、ドア目掛けて猛ダッシュしたのでした(笑)。
 さつきの数少ない長所の一つが、「注射でも動かずに我慢できる」ということなのだが、次回からその神話も崩れるだろうな。あさって、狂犬病のワクチンを受ける予定なんだが、暴れたらどうしよう。ユウーツ(..;)

 つーことで、6月に、全身麻酔下に鼻涙管洗浄を受けることになりました。費用は、¥28.000ナリ。

 や、金額のことは、どうでもいいです、この際。昨日、「生きている限り不自由させない」と誓ったばかりだしね。でも、「全身麻酔」には、抵抗がある。どんな名医だって、全身麻酔で不慮の事故が絶対起きないという保証はない。さつきに万一のことがあったら、ショーに出すわけでもないのに、顔に涙の筋が付くのを止めるだけのために全身麻酔を受けさせたことを、一生後悔するだろう。本来なら朝預けて夕方お迎えに行くことになっているのだが、せめて処置中、側にいてやりたいと思っているところだ。

by sawa4482 | 2007-05-22 11:04 | スキッパーキー