経過

 1日とて外出の予定のない日がなくて、追われていたら、いつ、どのような状態だったか、記憶が曖昧です。何とか記憶を掘り起こしてみると、9月24日に皮疹ができてから一気に病状が進んだのが分かります。その後は、日一日と、衰弱して行きました。

横になっていることが多くなったのは、いつからだったろう? 悪化する前から始まっていたような気がする。お気に入りの場所は、玄関のPタイルの上。どうしてそんな所に?と不思議だった。

9月22日ミルトス練習会。バー0cmで簡単なコースを走る。0cmにしては遅いが、何走か走った。笹島さんからも、「前回(8月18日)に比べると元気がない」言われる。ご褒美の生食にも、器を取り上げるのが大変だった頃の食いつきは、見せない。

23日記憶なし。

24日朝、一夜にして、お腹に一面赤い丘疹ができたのに気付く。一日中元気がない。広場でボール遊びをしたのは、この日が最後。追うのも戻るのも遅かった。この日だったかな?生食をいくらも食べないうちに、食べるのをやめてしまった。メスチノンが入っている分だけはどうしても完食してもらいたくて、スプーン給餌。数日前から、食事の途中また口に入らなくなることがあり、周囲が汚れるので、「お皿に少量入れて、完食したら次を入れる」方式にしていた。その頃は、お代わりが待ち切れないくらい食欲があったのに。一口ずつお団子にして口まで持って行ってやると、1食分を完食できる。

25日神戸へ。あまり走れないことはわかっていたので、バー0cmにしてもらった。タイヤも地面の高さだったのに、後ろ足を引っかけた。1コマの途中でリタイアした。

26日皮疹は変わらず。ステロイド減量の影響かと考え、朝の投薬を勝手に10mgに増量した。明日と明後日は受診できない。無理を言って仕事を1時間早く切り上げ、下江へ。皮膚感染との診断。プレドニゾロンを中止し、テマリルP(抗ヒスタミン剤とプレドニン2mgの合剤)とシンプリセフ(第3世代のセフェム系)に変更になった。両外耳道にマラセチア。点耳と塗り薬が処方された。WBCが28600もあるのに、CRPは0.70。

27日ミルトスセミナー。前回、前日に急に悪化してドタキャンしてるので、今回はたとえ見学になろうとも参加すると決めていた。なぜか、毎回ミルトスセミナーの直前になると悪化する。状況を話し、筋力を消耗する単調な反復練習には参加させないことにした。急遽、アルファが代打でパピークラスに参加。午後、コース練習になったところで試しに走らせてみたが、バー2本跳ぶ様子を見ただけで、セミナー参加は断念。明らかに後ろ脚の動きが悪い。感染症のせいで、重症筋無力症が悪化したのか。第一、鼻が乾いている。

28日、ミルトスセミナー2日目。エアの参加は、最初からあきらめる。前日よりわずかに元気な様子か? 鼻の乾きが、多少マシなような気がする。だが、繋留もせずハウスにも入れずにいても、ずっと横たわっている。いつもなら過剰に反応するポップちゃんやヨハンの走りを見ても、全く無反応。前日の缶詰フードが合わなかったらしく、大量の軟便。喜んで食べていたのに。生食を喜ばない。一口大の団子にして口元に持って行く。いやいや食べている感じ。自力で食べられなくてスプーン給餌をしていた頃でさえ、がっついていたのに。

29日起床後、右目の下のアイラインに、直径2mmくらいの白班を発見。昨夜までは、絶対になかった。その時は、体調が悪いとアイラインまでなくなるのかと軽く考えていたが、後から調べると、これも皮膚悪性リンパ腫の症状だった。目脂も出ている。
法事のため、朝から訓練所に預ける。午後お迎えに行くと、昼ご飯は食器から食べられなかったので一口ずつお団子にして食べさせてくれて、完食したそうだ。帰宅後、肛門が腫れているのに気付く。肛門周囲膿瘍? 急いで下江に連れて行くと、単なる皮膚感染症の一部と。一昨日あたりから、鼻の脇に潰瘍ができていて、少しずつ拡大してきた。悪性では?と尋ねてみたが、鼻を擦り付けているせいではないかと。一応、外用薬が出た。この日も、WBCが28500もあるのに、CRPは0.70。鼻の潰瘍といい、どうもおかしい。ALPの異常高値はステロイドのせいだと言うが、悪性腫瘍ではないのか? 「一日中ぐったり寝ている」と言っても、抗ヒスタミン剤の鎮静作用だと。あまり真剣に取り合ってもらってない感じ。

30日台風の雨の中、シャンプーに行く。「顎の下の汚れがひどい」と言われる。下口唇のただれが悪化している。最近またマズルを掻きむしって出血するようになった。耳がかゆいのはわかるが、おでこにまで小さなハゲがいくつかできた。その場所はそんなに掻きむしっている様子はないのに。夕方、雨が上がったので、近所をお散歩。アルファのお散歩デビュー。続いて、エアリアルの番。すぐにへたり込む。老犬のように私の後をヨタヨタ歩くのを励ましながら、ようやく1ブロックを1周した。 3階までは、何とか自力で上がった。あんなに好きだったボールをやっても、全く反応なし。2頭と遊んでいても、自分だけ蚊帳の外。食事に時間がかかる。一口ずつ与えても、完食する前に「もういらない」と。1日分を完食できなかった。

10月1日抵抗力が落ちているだろうから、どんな犬が来たか分からない外の散歩は省略。置いてお出かけしようとしても、これまでのように吠えない。おざなりに吠えてみせたが、これまで以上に声変わりしているのにビックリ。帰宅すると、玄関とリビングの境のドアを塞ぐように横になって待っていた。その後、これが定番となる。一日中ぐったりしている。夕方、みんながアジ練をしている広場に連れて行った。エアだけは繋留もしないでいたが、ずっとみんながいるテントで横たわっていた。一度にたくさん食べられないので、一人だけ離れた所で間食を与えた。体重はそんなに変わっていないのに、ずいぶんやせて見える。骨盤周囲の筋肉がそげ落ちた。

2日神戸へ。エアは、最初から参加しない。相変わらず1度に食べる量が少ないので、この日も途中で少し食べさせる。帰宅は3時頃。皮膚感染症でここまで衰弱するだろうか? 考えれば考えるほど、悪性腫瘍と思えてくる。下江に連れて行くべきか? でも、本気で取り合ってもらえないしな。この際、腫瘍専門を謳っている病院を受診してみるか。行ってみると、院長不在。クソっ、分院に行くべきだった。見るからに頼りない医師に、見た目はアレルギー、生検するなら、全麻が必要で術前検査も必要と。その場で預けるのはためらわれたので、一日考えることに。

3日皮疹は悪化しているように見える。 朝のお散歩も、エアリアル抜き。生食、薬の入った分は何とか完食したが、3口目くらいで、口に入れたのを吐き出してしまった。以後、どうしても食べようとしない。以前病院でドライフードを喜んで食べていたのを思い出し、もしやと、低アレルギーの魚のドライフードをやってみた。すごいがっつき様。食欲が無くなった訳ではなかったんだ。ほっとした。やせてきているから、たくさん食べてほしい。けど、一度に食べたらお腹壊すかもしれないから、適当なところで切り上げた。名残惜しそう。昼も夜も、薬は生食で何とか飲ませた。やはり、3口目くらいで食べなくなる。ドライフードは喜んで食べた。さつきとアルファの動きに全く加わらない。後追いもあまりしなくなった。2頭におやつをやっていても、もらいにさえ来なくなった。おやつをもらえなくなった分、異様なほどおやつに執着していたのに。でも、2頭と遊んでいると、いつの間にかすぐ側にきて横たわっている。私の側にはいたいらしい。不憫だ。ベッドに飛び乗ることができなくなった。足下でじっとこちらを見て、上がりたそうだ。抱っこして乗せる。朝には自力で下りていた。まだソファにはかろうじて上がれる。後ろ脚が危なっかしい。筋無力症の症状なら、相当進行してきていることになる。もう、前足で「痒い所を掻け」と要求することもなくなった。私がいるのと反対側で、じっと伏せている。

4日いくらなんでも全く動かないと、筋力が落ちてしまうからと思い、朝のお散歩に連れ出した。階段は1歩も下りられない。ビルを出たとたん、大量のおしっこ。こんなことは初めてだ。しっぽが上がってない。角を曲がったところで、座り込んで歩かなくなってしまった。仕方なく帰る。階段は2階までは自力で上がれた。そこからどうしても歩こうとしないので抱いて上がったところ、ウンチがひとかけら落ちた。ウンチがしたかったのかと下ろしたら、2階の踊り場に大量の下痢。前日のドライフードが合わなかったようだ。こんな場所に排泄するのも初めて。いよいよ、括約筋の働きまで悪くなってしまったか。帰宅してお尻の周りを洗い、服を着替えさせようとして、首回りに多数の丘疹があるのに気付いた。毛は禿げていないのに。表面に落屑。間違いない、皮膚の悪性リンパ腫だ。犬と自分のゴハンを済ませて、下江へ。この日のゴハン、生食は、やはり3口目くらいで一旦口に入れたものを吐き出した。長い間与えてなかったNow!を与えた。喜んで食べる。ドライフードでは水分が足りないだろうからと、大好きなヤギミルクを与えたが、全く飲もうとしない。むしろ、水の方を飲みたがる。どれくらい飲んでいるのか個別に小さな器で飲ませてみたが、ほとんど減らない。

下江で、一目見るなり、リンパ腫の検査をと。即、入院となった。だから、あれほど悪性では?と言ったのに。アトピーとの鑑別は難しかっただろうけど、せめて29日の時点で、疑ってほしかった。エコーで、肝脾腫は認めず。
夕方、再度見舞いに行った。すでに生検は終わっており、点滴を留置されていた。弱っているし元々おとなしい犬だから、軽度の鎮静と局麻でできた。確定診断は連休明けになるだろうが、膝下リンパ節のスタンプ標本で、異形リンパ球が認められ、悪性リンパ腫は間違いない。即座にロムスチンを投与するか、確定診断が出るまで待つか?と選択を迫られた。 ここ1週間の急激な進行速度を考えると、何もしないと数日で命を落とすまで悪化するだろう。かといって、副作用で却って急変する可能性がないとも言えない。確定診断の出てない今、一か八かの賭けだ。
ロムスチン投与を選択した。この手で、フードにくるんだカプセルを2個、飲ませた。ここまで全身に広がってからでは、薬の効果が出たとしても、完全緩解はないだろう。後何日生きてくれるのだろう。病院で一人ぼっちで死んで行くことだけはないように、それだけは、絶対に避けたい。なんとしても、自分で看取りたい。

by sawa4482 | 2012-10-05 22:46 |